タイルの浮きについて
皆さん、こんばんわ。
先日、タイル張替工事をしている現場に行って来ました。外壁タイルに浮きが多くみられ、相当数のタイルを張替えました。下地をみると新築時にはコンクリート下地の上に直接タイルを張る方法(直張り)での施工でした。近年よく見受けられるのが、コンクリートの不陸を調整するために塗られる補修材とコンクリートの間で何らかの不具合が生じてタイルが浮いてしまう建物はありますが、タイル専用の張付けモルタルとコンクリートの間で浮いているのは稀にみる現象でした。原因は恐らく、コンクリート下地に目荒しをしなかった事、挙動に対する誘発目地が少なかった事、さらにはコンクリート下地に吸水調整剤を塗らなかったり、職人さんの施工不良だったりと様々な原因が考えられます。これだけ広範囲でタイルが浮いていると(写真参照)エポキシ樹脂を注入して浮きを止める工法ではなく、タイルを張替える工法の方がベターだと思います。モルタルで張る場合にはコンクリート下地にしっかりと超高圧洗浄やカップ掛けで目荒しをし、必ず吸水調整剤を塗布して、必要な所に誘発目地を設け、ドライアウトしないように張り付けるといった事が大事だと思います。もう一つは張付けモルタルの代わりに弾性接着剤でタイルを張り付けるといった方法もあります。固まるとゴム状になり挙動に追従してくれる、乾きが遅いのでドライアウトの心配もないといったとても優れた張付け材になります。近年の新築時の建物にはその性能が評価されよく使われるようになっています。
弊社はこういった現象が二度と起きないように原因を特定し、適正な診断・的確な工法を導き出し、安心で安全な施工を心掛けていきます。